マジカルコネクションな日々3 しのちゃんのレコ発

   今日は3月3日のひな祭りで、午後から今池の「カフェあらたると」でのそらしのさんのレコ発ライブに出かけた。そらしのさんにはいつもマジカルコネクションでお世話になっているし、待望のセカンドアルバムのレコ発ライブということで、僭越ながらいつものように選曲番をやらせてもらった。というか、それをやるのは自分の仕事だと勝手に思っていた。

 朝からあいにくの雨模様であったけど、お店は千客万来、満員御礼であった。そらしのさんのご両親もいれば、いつもライブに来ているファンもいたし、元職場の友達、ライブのサポートをしているHoSoVoSo君も駆けつけ、そらしのさんのレコ発をお祝いしようという祝祭的なムードに包まれていた。ライブは2部構成で、1部が基本弾き語りで、曲によってレコーディングメンバーであるオーボエのうかいさんや鍵盤ハーモニカでベースの北川さんが参加した。ファーストアルバムの曲、セカンドアルバム収録の新曲、それとHoSoVoSo君の「白い粉」のカバーもやった。そして2部はフライングドクターの岩田さんのバイオリンとそらしのさんのボーカル&キーボードの2人での曲からスタートして、ドラムの春日井君、ベースの北川さんが参加してバンド編成によるステージとなった。こちらも新旧とり混ぜての選曲であったけど、曲によってうかいさんのオーボエも参加して、先月来日公演を観て感動したというエディリーダーが在籍したフェアグランドアトラクションの「ムーンイズマイン」のカバーもあった。ラストはセカンドアルバムの表題曲である「柳はみどり、花はくれない」で、アンコールはおなじみの「シンプルディ」で満場の観客の手拍子も加わり、賑やかに終わった。北川さんの奥さんお手製の鳥のぬいぐるみを忘れてきたり、財布を忘れてくるというアクシデントはあったものの(財布を忘れた話は後で知った)ライブは大盛況で大成功だった。本当の意味で、最高のハコで、最高のメンバー、そして最高のお客さんと一緒に作り上げた、最高に楽しいライブだった。そらしのさんと知り合って2年以上になり、その間マジコネだけでなく、いろんな場所でライブを観てきたけど、まさにベストアクトのライブだった。

 当初セカンドアルバムを作ると耳にした際、どんなアルバムになるのと聞いたら、シンガーソングライターのアルバムみたいになる、と答えていた。それからいろんな場所でのライブで、新曲を耳にするたびに、いい曲だと思ったし、はっぴいえんどで言うならファーストの「飛行船」が「ゆでめん」だとしたら、今度のセカンドは「風街ろまん」になるんじゃないかと思ったし、本人にもそう言ってた。そうして、今日ライブで全曲を聴き、家に帰って改めてCDを聴いて、ああ本当に「風街ろまん」になったんだと思った。世辞抜きでとても良いアルバムだった。詞、曲、ボーカル、演奏すべてが良かった。本人に以前聞いたけど、もともと曲は作っていたものの自分で歌うつもりはなく、誰かに歌ってほしいと思って作っていたから、ソングライターではあったけどシンガーソングライターになりたくてなった訳ではなかったと言う。ファーストはもちろんいいアルバムではあるけど、どちらかと言えば極めて私的でパーソナルな作品であったし、バンドサウンドの曲もあるけど、一人だけでやってる感が強かった。だけど、セカンドアルバムがファーストと決定的に違うのは、みんなと一緒に作っていると言う連帯感であり、結束感だった。弾き語りプラスオーボエ、バイオリンという曲もあるけど、バンドでやっている曲が多いし、アレンジがとてもカラフルな印象だった。そして、ファーストよりも視点が大きく広がっているし、ソングライター、ボーカリストとして大きく成長していることを実感した次第だった。改めて歌詞カードを読んで、とても印象的なフレーズがいっぱいあって、松本隆ユーミンの影響を垣間見れたけど、独特のセンスがあっていいなぁと思った。それは、HoSoVoSo君のサポートをやったり、いろんな人とライブで共演したり、今まで聴いていなかった音楽を聴いたりしたことの影響が大きく反映されてきた証かもしれないし、僕も少しはその役に立てたのであれば光栄だったりする。

 そらしのさんの良いところは柔軟で貪欲なところだ。妙に頑固で私こういう音楽しか聴かないからと壁を作ることがなく、しのちゃんはユーミンよりも大貫妙子の線の方が合ってるよと言ったら大貫妙子を聴くし、バートバカラックを聴いてみなよと言ったらバカラックを聴いてみる、という具合に素直なところが好きだ。そんなそらしのさんだから、この2年あまりの活動を通して吸収したものがこのセカンドアルバムには満ちているし、今日のライブにもその姿勢が感じられた。知り合って、いただいたCDを聴き、マジコネにお誘いして2年になり、今はもうすっかりレギュラーになってもらっているけど、こうしてずっと聴き続けて、成長を見守ってきて、本当に良かったと今日つくづく思った。シンガーとしてもソングライターとしても成長し、自分の音楽を表現してくれるのに最高のパートナーと最高の仲間がいて、活動を応援してくれる「あらたると」のタンクちゃんのような人がいて、レコ発ライブに来てくれる大勢のファンがいるなんて、とても幸せなことだ。これからの活動が楽しみだな。

 改めまして、しのちゃんレコ発ライブお疲れ様でした。そしてセカンドアルバムのリリース、おめでとうございます  。これからもいろんな場所へ、しのちゃんの歌を届けていってください。もちろん僕も応援していきます。だって、しのちゃんは大切な娘だからね(誰が娘なんだ)。